「元と玄」

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「元と玄」ENVIRONMENTAL ART PROJECTS /Fiber

古代の都であったエリアにある神社仏閣の多い奈良県藤井寺市の市民総合会館ホールに依頼を受けた作品。
はじめての麻縄をつかったパブリックアート作品「元と玄」。
現代文明の所産であるステンレス鋼を当時として最も先端の鏡面加工技術を駆使した無機、硬質の素材に対して、太古から続く有機、軟質の素材である麻縄という二元対極の出逢いをさせることにしたもの。
ステンレス鋼板形体に麻縄を水平に締め結んだ『元』垂直に締め結んだ『玄』
『元と玄』一対の作品である。麻縄を締める力によって圧倒的量感重量しかも硬質のステンレスの形体が撓みはじめようとした。強い、固いはずの現代先端の金属への信望が崩れ去った。軟弱なものが内へ内へと縒り合い結集した力に硬質なものまで吸収されてしまうのだ。鏡面ステンレスに映し出された麻縄、その虚像のなかにも緊迫な二元の出逢いが結びー産霊の世界を表出しているのである。二元が対峙しながら同時に二元の合一イメージが永遠に重なる作品。

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