玄央 1974年

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アトリエで麻縄のストランドの間の縄目を、左手で満身の力でこじ開けた隙間を両足で縄の縒りが戻る力を押さえ込んで、右手で槍のような形に削った形の長い棒状で重いアルミニウムキャストを差し込もうと格闘したその瞬間、左手の親指までいっしょに縄目のなかに挟まれたのだった。すると縄がどんどん親指を締めつけてゆくではないか。痛い。親指が挟まったまま抜けない。まるで縄はヘビのように生きているとドキドキして恐ろしくなった。縄は生きている。まさに有機物なのだ。それは縄の縒りの力の迫力に驚かされた事件だった。縄は縒りの方向にラセン回転し続けている状態と縄自体が逆回転し縒りを戻そうとする力が共に働きつづける状態そのものなのだ。縄とは相反する力の相克の中でぎりぎりに静止しているモノなのだと実感したのだ。他の物質のなかでこのような緊張と動こうとするエネルギーが孕んだモノの存在はあるだろうか。
わたしにその驚異を産み出してくれたのがGenou –b玄奥—bなのである。

ファイバーワークス国際展 クリーブランド美術館 出品

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地球のへそ 2012年

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地球の皮膚 2012年

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マイマイの遊離 2011年

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縄の森 2011年

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螺旋の記憶 2011年

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宙の棲みか 2009年

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non title 2005年

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生命の螺旋 2005年

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Bamboo Hollowness 2000年

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「ART ABOUT PEACE」
The oneness 1+1=1 1997年

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朽ちるとも 1996年

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許されざる期間の終わりまで 1994年

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Spiral Locomotion 1993年

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Undulation - UNERI 1993年

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DNA ダイナミック劇場 1993年

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A Cycle 1992年

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地球文化のDNAーブラジルと日本 1992年

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ミシングキューブ Missing Cube 1992年

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Proto Sun 原始太陽 1992年

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「原始惑星系DNA-912」1992年
第15回ローザンヌビエンナーレ 選抜作

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「45億年の記憶」
日本文化デザインフォーラム展 1989年

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T-85 黒御影石、麻縄 比叡平アトリエ玄関
1985年

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The Wave-1 1981年

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「草の時 Time of Glass」1979年
出展:ドイツ スウェーデン スイス他

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A Black Mark 1978年

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「Rope in the Sky」1978年

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The one 1977年

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Triangle Stainless steel & hemp rope 1976年

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フレキシブルワーク 1976年

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The root 1975年

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「玄央」1974

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The Twine 1972年

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産霊 1972年